ポスター印刷に最適なインクはどれ?様々なインクの特性

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「ポスター印刷用プリンタのインクって種類がたくさんあるけど何が違うの?」と疑問に感じた方は多いと思います。

インクの種類の中で「水性」と「油性」があるのは皆様ご存知でしょうか。これはインクを液状にするベース剤のことを指します。
水性」は溶媒が水、「油性」は溶媒が有機溶剤となります。そして発色する物質には染料と顔料の2種類があります。
ポスター印刷用プリンタのインクとして使用されているのは水性染料と水性顔料、溶剤(油性)とありますが、それぞれの違いを見てみましょう。

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やはりインクによって個々に良いところと悪いところがあるようです!
次に、どんな特性があるか細かく見てみましょう。

水性染料

水性染料は水で着色成分が溶けたインクとなります。
紙や繊維に色素を染み込ませて色をつけます。
透明性と鮮やかさに長け、様々な色を作り出すことができます。

水性顔料

水性顔料は水で液状にされたインクとなりますが、水性染料とは違い、着色成分が水に溶けきりません。
溶媒である水分を紙繊維に浸透させ、インクを用紙の表面にとどまらせて着色します。
光に分解しにくい特性があり、紫外線などへの耐候性があります。

溶剤(油性)

一般的な水性よりも密着性が強く、揮発性が低い事が特徴です。
ベースとなるオイルは、有機溶剤で、脂肪族炭化水素、グリコールエーテル、高級アルコールなどを使用します。そのため、油性特有の刺激臭がします。
長期保存に向いていますが、解像度が低いため、あまり鮮明ではありません。

それぞれポスター印刷用インクのメリット、デメリットは?

インクによってメリットとデメリットが存在します。
どのようなものがあるか、ピックアップしてみました。

水性染料

■メリット
瑞々しく艶のある発色で、透明性があり写真などの高画質のプリントに優れています。
色の再現性が高く光沢が出やすいインクであり、紙に染み込むので、印刷表面が滑らかで、用紙のもつ光沢感をいかせます。そして、安定性にも優れており、凝集や沈殿が起こりにくいです。

■デメリット
耐水性・耐候性が劣っており、インクを重ねた場合に滲んだり、太陽光や紫外線などに長い時間当たると褪せてしまう色が多く存在します。ですので屋外用途や長期保存用の印刷には向いていません。ポスターとして使用の際、屋内であっても水分を吸収しやすい為、短期間での使用でない場合、ラミネート加工が必須となります。
また、色が落ち着くまで24時間程度必要となり、印刷直後との色の変動が大きいです。

水性顔料

■メリット
クッキリと輪郭のある印刷ができ、耐光性の高いインクですので変色しにくく、長期保存に向いています。
高解像度で出力出来るのが特徴で、またインクの境界に滲みが少ないため、きれいに仕上がります。
紫外線などへの耐候性や、水や油で溶けないので耐水性があるため、屋外でも使用できます。
ポスター印刷等に適したインクとなっています。
また、表面が加工されていない一般のコピー用紙でも、インクが滲みにくく鮮明に印刷ができます。

■デメリット
インクを紙の表面にとどまらせて着色するため、こすれ等に弱いがあります。

溶剤(油性)

■メリット
溶剤(油性)は有機溶剤で溶かしたインクとなり、水を弾くため、耐水性に優れています。
他に、耐候性・耐光性にも優れており、色褪せしにくく、長期保存ができ、屋外での展示に向いています。
屋外での使用はラミネートなしでも2~3年相当の耐候性を持っています。

■デメリット
水性染料や水性顔料のような鮮明さはありません。
刺激臭があり、作業環境では換気設備が必要となります。また、においの強いものですのでポスターとしてご使用を目的とされる場合、飲食業等のにおいに敏感な場所での展示には向きません。

ポスター印刷をするならどれがいいの?

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ポスター印刷用プリンターのインクには、これまで説明をしてきた水性染料、水性顔料、溶剤(油性)の3つがありますが、ポスター印刷では耐水性や長期保存に劣る水性染料を扱っているところは少なくなってきました。 そして近年の高度な技術進歩により、水性顔料が水性染料に劣らない鮮やかな発色と美しい出力が可能になり、品質が向上しています。 
上記の事も含め、まとめ比較を行いたいと思います。

 

まとめ
水性染料、水性顔料、溶剤(油性)を比べてみますと、水性染料はとても色鮮やかで綺麗ではありますが、耐水性・耐光性の弱さが難点となっています。それに比べて水性顔料は水性染料に劣らず色鮮やかな仕上がりとなり、耐水性・耐光性に優れていますので、インクの変色がしにくいという良い点があります。溶剤(油性)も耐水性・耐光性に優れており、長期保存に向いていますが、画質が良いとはいえず、鮮明さを重視されている方にはお勧めいたしません。そして、溶剤には刺激臭があるため、飲食店や施設などのにおいに敏感な場所での使用には向いておりません。

これらを総合的に見ますと、ポスター印刷をするにあたって大事な品質、耐性などを重視すると、水性顔料での印刷がトータルのバランスが非常に良く、ご使用用途に限りがないため、幅広くご使用できるのです。

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